頭付き(コブラヘッド)の綺麗な青に染めたコブラを使ったキーケースのオーダーが入りました。背中に出ている模様(柄)が綺麗なコブラを厳選しました。
先ずはコブラ皮革を見ながらラフデザイン、20代の若いお客様と仕様やサイズ感の打ち合わせ。細かいデザインや仕上がり感はお任せでした。
テーマは “躍動感。ロングコンセプト” +20代的ラグジュアリー。
デザインする時は、先ずその皮革を目の前に置いて、お客さまのファッションstyle、身長や体型、どんな仕上がりが一番似合うのかを考えながら、このコブラの本来持つ意味や良い意味で未来が創造出来る様な意識で皮革をじっくり触りながら見て、今回のテーマに沿ったデザインインスピレーションと機能性を創造していきます。
ある程度創造出来てきたら、実寸大の紙パターンを製作します。そこから色々な方向性を考えて1つにまとめていきます。ここでデザインや機能性から細かく全てのサイズを出していきます。
製作作業途中内容は(作業に支障が出るので)文章、写真省略させて頂きます。
今回のテーマ『躍動感』を出す為に、コバ部分は皮革そのままの自然な曲線の仕上がり。分かってはいましたが、こんなに大変なコバ仕上げは良い経験値になりました。時計ベルトの30倍は手間と難しさがありました。このコバを仕上げるのに3週間くらいかかりました。3週間毎日このコバ仕上げは少し嫌になる程でしたが、そこは『何処にも真似出来ないくらいの全面ツルツルなコバ面にしてやる!!』と言う気持ちと意地です。コバの仕上がりのゴールが見えてくると“このコブラが許して受け入れてくれた”と、そう感じました。人生の努力とコバの大変さは、何か似ている。
コバ面は、面積が多く曲線です。1週間くらいではそう簡単に綺麗に平にはなりません。
優秀なハイブランド御用達イタリア製インクメーカーを更にFULLBRIDGEで調合しているコバインクを何度も塗ります。乾燥させます。
もちろん同時進行で他のオーダー品もやります。多いときは10個以上並べます。流れがあるので次々と仕上げるのに大忙しです。笑 でも雨の日は乾燥がゆっくりになるので、他の事も多くやります。
裏面はオールボルドー(マット)クロコです。FULLBRIDGEstyle!! ラグジュアリーです。
金具も少し変わった感じの品のあるsmpleな大人感ありをチョイス。しかも各金具が独立したFULLBRIDGEらしいオーダーメイド感ある仕上げです。お客様のカギの長さや使う場所、使い易さ、多少の面白さも考えています。ただ金具を普通に真直ぐ揃えても『真面目か!!』と言う様な仕上げですからね。もちろん真直ぐが良い場合もあります。
他ではやらない様な少し癖があるstyleが好きです。私自体、色々と超普通のは嫌いなのでそれに似合ったitemを探したり厳選する時もとても慎重になります。でもお客様が例え言わなくても『お任せ』と言ったからこそ、納期にもよりますが簡単に仕上げたりはしないです。また使い易さ、smpleさも考え『best design』になる様、最終調整していきます。
お任せこそ“FULLBRIDGEstyle” “少し変わった感じの大人テイスト”=新しい何かの挑戦するチャンスなのです。やった事がない事こそ、難しいからこそ、オーダーメイドの楽しさのピーク(興奮)なのです。似た様な事の繰り返しは刺激もなく、面白くないですからね。またどこかにある様なカタチ、有名ブランドの真似もナンセンスです。
オーダーしたお客様がこの仕上がりを見て、ここにオーダーして良かったと思って頂けている顔を見ないと、私自身が満足しないので、全ての過程を通して1つも苦労だとは思った事はありません。
『オーダー=新しい挑戦=経験値=お客さまの喜び』です。
どうですか?? この躍動感!! 今にも動き出しそうな感じと、このコブラの持つ魅力が最大限出る且つ使い易い角度を考え仕上げました。全ての邪気を飛ばし、運気が上がりそうな強いオーラを放しています。
コバもビックリする程、綺麗に仕上げてあります。オールツルツルです。
因にですが、コブラの舌(蛇特有の2股舌)が出ているのが分かるかと思いますが、それは舌を引っ張って皮革を加工したから舌が出ているのです。どうせなら舌が出ていた方がリアルインパクトがありますからね。それにしても、このコブラヘッドのキーケースはインパクトあります。
sさまご用命ありがとうございます。納期は1ヶ月強でした。