↑奥が今回フルオーダーメイドで仕上がったクラッチバッグ。見本よりやや大きめをお客様は希望されており、打ち合わせで何を入れるのかなどを確認しながら細かくサイズ出し確認しました。
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↑手間がお客様から預かったクラッチバッグ。
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形やサイズ感が分かった方が良いのでお預かり出来るのであればお預かり出来た方がベストです。
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今まで使っていたオーストリッチのクラッチバッグ。10年以上~15年ほぼ毎日使っていたとの事。素晴らしい経年変化である。ここまで使えば名残惜しい気持ちは特別な思い入れなどない限り無いだろう。
↑お預かりした方、インナー素材は布製だった。FULLBRIDGEではインナー素材で布は使いません。何故ならばこうやって何れ布は破けます。革であれば普通に使っていれば基本この様に破れる様な事はありません。軽いか軽くないかと言う人もいると思うが豚のスエードを布レベルの軽さになるまで鋤(す)けるかは腕の見せ所でもある。ここまで言って「インナーは布が良い」と言うお客様は特別な事がない限り、うちのお客様ではない。
底もギリギリ布が保っている状態です。
↑FULLBRIDGEフルオーダーメイドで仕上がった方。
インナー素材は上質なピッグスエード。色っぽくパープルでコーディネート。黒などより色があった方が、中身の確認がしやすいので色ありをオススメします。
逆に薄すぎる色を選ぶと汚れが非常に目立つので薄い色を選んだ場合は汚れに注意が必要です。最悪は数年経ったらインナー素材交換修理です。
インナーポケットには然り気無くFULLBRIDGEDesign、ライトグレイのステッチが映える。ライトグレイステッチを入れられると言う事は、綺麗に糸縫えますよと言っている事でもある。他社ではステッチの色(目立つ糸)を変える事を言うと嫌がるところもあると思う。同色が基本普通なので糸の色まで聞かないところもあると思う。
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逆に同色ステッチでは面白くないので、色を変えれてもらうのがFULLBRIDGEStyleでもある。アイテムやテーマによっては同色の方が良いと思う場合もあるし、またもう少し色が近い色の糸を選ぶ場合ももちろんある。
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FULLBRIDGEはファッションやカラーコーディネートを楽しむスタイルなので、他社より選択肢は多いと思いますが、またその選ぶ選択肢基準はその時その時のテーマやお客様のライフスタイルで変わり打ち合わせの時間も思ったより長くなる場合もあれば、思ったよりすぐ終わってしまう場合もある。何れにしてもお客様が満足して私がもうこれ以上聞く事がないかどうかである。
オーストリッチのクイルマークは贅沢なフルポイントで仕立てました。1つ1つクイルマークはプレス仕上げしました。このバッグの全面分を全部やるとクイルマークを全て綺麗にプレスするだけの作業時間は3時間~4時間くらいかかります。
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綺麗にやるか、適当にやるかでも作業時間は変わってきますが、基本、時間をかける、かけないのではなく、美しく仕上げる為には、避けて通れない作業時間と工程です。綺麗にプレスする方法まで語ると長くなるのと社外秘でもあるので割愛します。
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何故クイルマーク(毛穴)をプレスするのか?エルメスのオーストリッチ製品も全てプレス仕上げされているが、その理由は簡単です。例えばニット製品を着ている時にニットにオーストリッチのクイルマークが引っ掛かる恐れがあるので、オールプレスしているのであります。
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例外でクイルマークはそのまま(ナチュラル・ワイルド)が良いと言うお客様もいらっしゃいます。その場合クイルマークはそのままなので少し突起したクイルマークの表情はワイルドな表情になります。またプレスしないのでワイルドの方のクイルマークは小さく見えます。プレスしたクイルマークは大きくなるので大きく見えます。
アウターにも綺麗に縫われたライトグレイステッチが黒のオーストリッチ(エルメス・same)のボディに映えます。
↑インナー素材をパープル色に変えると、こうやって然り気無くポケットを開けた時、チラッと見えたときにバッグ全体の黒に差し色の色っぽさがある。
持ち手のところはコバ(切り目)仕上げでそのコバ面が綺麗に仕上げている事も確認出来る。